時間への価値は意識の範囲に存在しないのだろうか

ベルリンに来て大変驚いたこと

ほとんどの店舗でカード払いが出来ないということだ

カフェや小さいレストラン、マーケットなどは必ずキャッシュが必要になる
スーパーでは使えるが、10€以下はカード利用不可という店舗もある

手数料をカード会社に取られるからというのは当然商売する側に立てば理解出来る解釈だ
しかしオプションとしても存在しないのだ

これは日本の田舎でも同じことが言えるが
ここはドイツの首都ベルリン。
スタートアップが盛んで海外から多くのアーティストや起業家達が集まる街と言われている場所なのだ
聞こえはかなりグローバルだが、ギャップはかなり大きい

シドニーに住んでいた時はキャッシュで買い物をしようとすると嫌な顔をされていたが、ベルリンではカードを出した方が面倒な顔をする人がいる

オーストラリアでは1円単位のコインが存在しない
現金を使わなかったのでうる覚えだが、確か5セントコインはあったはずだ

スウェーデンでは現金を使えない店舗さえ存在する

現在では多くのカードにコンタクトレス機能がついているので支払いがかなりスピーディーでスムーズになっている

スーパーで列に並ぶのが苦になることもほぼ無い

通常のレジの何倍もの数のセルフレジが構えているし
ほとんどの人がセルフレジを使い、支払いはコンタクトレス機能を使う

電車やバスに乗る際も、suicaのような交通機関の電子カードももちろんあり
アプリで残高の確認も出来、足りなければアプリの中でチャージも可能だ
バスや電車はアプリで何分後に来るのか教えてくれる
また、乗りたいバスが現在どこを走っているかアプリで見られるようになっている

つまり”待つ”ということに時間を”使う”割合がかなり少ないのだ

ベルリンではスーパーにセルフレジは少なく
店員さんが大きなベルトコンベアーの横にどしっと座って商品をスキャンするという形

商品を1つ買う人もカートいっぱいに買う人も同じ列に並ぶという構図
夕方はいつも長蛇の列
そして大半が現金払い

自分の番が来るまでに10分待つことさえある

交通機関にも時刻表はある
ただ時間通りに来るかは待ってみないと分からない

横断歩道も赤で待つのは当たり前だが
車が来てない短い横断歩道でもきちんと待っている

時間への価値は意識の範囲に存在しないのだろうか

先日妻のビザ取得に訪れた移民局でも
担当官との接点の時間はほんの3分程

待ち時間は4時間だった

もちろんその4時間を個々に有効に使えば良い

でも、もしもこれがオンライン申請可能であったら?
・ペーパーレス
  紙は必要は無い。印刷する手間も。        

・タイムレス
  移民局へ行く時間、待ち時間が必要ない。
  4時間も待つ必要は無いのだ

・コストレス
  移民局までの交通費
  移民局が払う人件費(待合室の入り口にただ案内するだけの人が配置されている)
  申請書の印刷代

・ストレスレス
  いつ呼ばれるか分からない番号をひたすら待つ
  トイレに行くのも慌てて行かなければいけない
  お腹が空いても買い物には行けない
  予約無しでは早朝から並ぶのが基本

妻がオーストラリアのビザの申請に割いた時間は約10分程
もちろん証明書類の翻訳などには別途時間が掛かっているが
オーストラリアの移民局のホームページからビザ取得までオンラインで約10分だ

移民局に来ている人というのは大半が何か目標や夢を持ってその土地に来ているのであろう

読書が最善の攻略法だったように見受けられたが、自分かもしれない当選者を知らせてくれる音は集中を遮るのに容赦が無い

ここドイツ、EUのリーダー的存在が示している行いは未だにその位置なのか
合理性より優先順位の高い何かがそうさせているのかはこれから学べるのかもしれないが
実に驚いている

時代の指針に肩を並べて舵を向けるのか
それともその指針よりも遥か先に舵を合わせているのか

注意深く観察が必要だ